2013年8月18日日曜日

クルマは通信販売で売れるようになる












photo credit: Stuck in Customs via photopin cc

 少し前ですが、日本自動車販売境界連合会が「2013年版自動車ディーラー・ビジョン」の中で「インターネットが与えるディーラービジネスへの影響と見通し」をまとめていました。

 その中でユーザー調査を行っており、興味深い結果が出ています。インターネットで直接新車を購入する「インターネット直販」に「興味がわく」と回答したユーザーが34%いたそうです(調査数2063人)
 これまで業界的には、自動車は高額商品のため商談・試乗が必要であり、また、登録手続きが煩雑であるため、簡単にネット直販が主流になることはないとの見解でした。
 しかし、この数字は業界がこれまで仮定していた状況よりも、ネット通販の可能性が高まっていることを感じさせるものでした。
 
 とくに20歳代では「興味がある」と回答した比率が41%となり「興味がない」を13ポイント上回りました。これは将来的な主要顧客である若年層は、ネット通販へ流れていく可能性があることを示唆しています。ネット直販はあらゆる分野で主流になりつつあります。クルマだけが例外とはいかないでしょう。
 
 よくECの場合に引き合いに出されることですが、過去、衣料品はネットでは売れないと言われていました。試着ができない、素材や作りを見て確かめられない、などの理由によるからだとされていました。ですが、今やネットで衣料品を購入することはあたりまえになっています。ショップ側の努力もさることながら、ユーザーの意識の変化が一番の要因でしょう。ネットが一般家庭へ広く普及していき、様々なサービスがネットで展開されていくなかで、ネットで購入することへの心理的なハードルは劇的に下がりました。

 今回の調査は新車販売にフォーカスをしているものですが、中古車では既に遠隔地の在庫をネットで探して通信販売で購入するといったことは珍しくなくなっています。中古車を他県で購入する割合は、現状だと全体の17%になるという調査もあるそうです。

 手続きが今よりももっと簡素化されるなどの制度面での変革があれば、あっという間に自動車の通信販売は広がるのではないかと思います。もっとも、制度の変革がなくともネット販売が増えていくことは間違いないでしょう。これは切り替わりの速度の問題でしかありません。

 多くの小規模な中古車販売店の場合、在庫リスクを如何に小さくして(可能な限り在庫を持たないようにして)ネットで確実に販売をしていくのか、がポイントになっていきます。そのため、ネットに対応した販売方法の確立が、今後の重要な課題であることは間違いないでしょう。

これなども対策のひとつです。
どうやらYoutubeで中古車が売れているようです。