2012年5月19日土曜日

今後の中古車販売に必要な3つのポイント
















photo credit: Abdulrahman BinSlmah via photo pin cc

最近の観察活動で得られたことの中に、仕入れをAAに頼らない店舗が増えているということがあります。

いいタマはAAでは高すぎて、在庫として店頭に置くのは厳しいといったことが理由として共通しています。

ここ最近は補助金・減税効果で市場にタマが増えてはいますが、中長期的には「いいタマ」の枯渇は深刻な問題だと考えられます。

マクロ的には人口は減少をしていき、高齢化が進むことでクルマに関する市場は縮小していくことが予測されています。また、クルマの性能の向上や経済状況に起因して、自動車の使用年月・車齢も年々上昇しています。

また、ディーラーや買取店は自社や系列による直販体制を強化しています。
小売向きのタマは自社から出さずに、自分で販売をしていく傾向にあります。

海外市場も、新興国の経済が成長していくにつれ、日本の中古車に求めるレベルが変わっていくことが予想されます。「いいタマ」は海外へも流出していきます。

今後は小売に向いた「いいタマ」の絶対数が非常に少なくなっていきます。
そして、「いいタマ」をAA市場で仕入れることは、どんどん困難になっていきます。

AAがなくなることはないでしょう。換金の即時性や保管などの問題に対する解決力は優れていますし、今後も必要な機能です。

しかし、AAは将来的には、どうにもならなくなったクルマの最終的な処分場になっていきます。
現在は、仕入れ・換金の場として機能していますが、「仕入れの場」としての機能は弱くなっていくでしょう(こちらのエントリーでも言及しています【中古車流通の今後を考えてみる】

AA以外の仕入れルートの確立は、今後をサバイバルしていくためには重要なポイントになると思われます。

冒頭に述べた「仕入れをAAに頼らない店舗」はどこも商売は順調です。
独自の仕入れルートを確立しているため、AA相場の影響を受けずに、
小売価格を他店より有利に設定することができるからです。

もちろん価格だけの勝負をしている訳ではなく、市場のニーズを的確に捉え、
自店のこだわりやポリシーを打ち出し、それでいて独りよがりにならないライン、
というものを正確に見極めて商売をしています。

その他に共通している部分としては、リーチしていきたい顧客像をしっかり持っているということがあります。

車両ごとであったり、店舗ごとであったりといった違いはあるものの、どんな顧客に乗ってもらいたいか、買ってもらいたいか、付き合っていきたいか、といったイメージがはっきりしています。

これらのことから得られる今後の中古車販売における示唆は、以下の3点かと思います。

①AAではない独自の仕入れルートを持つ
②自店ならではの特色を持つ
③顧客のイメージを明確にする

この3点は、クルマに限らずあらゆるビジネスにおいていえることではありますが、
そうした基本的な部分に対する取り組みの違いが、結果として大きな違いを生み出していくのだと思います。