2012年4月22日日曜日

立場が立場なら寡黙が美徳はちと違う















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トップマネジメントについて思うところがあったので、今回はそれをひとつ。

トップマネジメントの行動や言動は、本当に細部まで組織の構成員に見られています。

そしてそれらは組織にとっての基準となり、組織全体の精神を決めます。
一挙手一投足に意味付けがなされ、解釈は組織に浸透します。

つまり、トップマネジメントは自身の言動が与える影響を常に考慮しなくてはいけないのです。
不用意な言動や不十分な説明は誤解や猜疑心を生み出し、それが組織全体に伝わっていきます。
以心伝心、察しや思いやりに期待をしてはいけません。

「言わなくてもわかる」は、ただの甘えです。

キチンと説明を行うこともトップマネジメントの果たすべき責任です。
(もちろん、あえて説明を行わないという判断も時にはあろうかと思いますが)

言葉足らずは必ず誤解を生み出すと心得ましょう。
それによって引き起こされる結果はトップマネジメントの責任です。
他の誰かではありません。

本当に些細なことも見ています。
そして、その些細なことにも意味付けと解釈が存在しています。
知らないのトップマネジメントだけです。

あなたの組織では大丈夫ですか?
誤解はこじれると、修復に膨大な時間とコストがかかります。
これらは本当に無駄以外のなにものでもありません。




2012年4月16日月曜日

エコロジーはそんなにエライのか!?について考察する


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中古車価格が過去最安値に落ち込んでいる。販売・買い取り会社間のオークション平均落札価格はこの1年で18%下がり、初めて1台25万円を割り込んだ。復活したエコカー補助金を使い低燃費の新車を購入する動きが広がり、中古車流通量が増えた。コンパクトカーなど単価の安い車の増加も影響しており、店頭の安値も目立ってきた。(出典 2012/4/14 日本経済新聞 電子版)


補助金や優遇税制により新車販売は好調になってきているが、下取り車として発生した中古車は販売には結びついておらず、中間流通市場でダブついている。


補助金復活前は、制度復活により、市場に下取り車が豊富に流通するようになるため、業界は上向きになるのではないか、っといった声が中古車関連の各方面から聞こえてきていた。しかし、始まってみると実際には期待していたような状況にはないようだ。


こうした状況に少なからず影響を与えていると思われるのが、「エコロジー」というイデオロギーではないだろうか。今回のエコカー補助金もまさにそのとおりなのだが、「エコロジー」であるということがある種の免罪符になりつつあり、大量生産・大量消費の次の言い訳になっている現実がある。


実際に、家庭のエネルギー消費量は10年前と比べて1.3倍。今年はそれ以上の数値が出る見込みになるそうだ。「エコだから」を理由に大量消費からシフトできていない現在の状況を、「エコジレンマ」というそうだ。(エコジレンマの詳細)


こうした点を踏まえると、「エコカーを新車で購入する」ということは、環境や社会に対しての善行であり、倫理的にもすばらしいことである。といった思想や感情が少なからず今のユーザーにはあるのではないかと推測される。


つまり、単純に新車か中古車かといった比較ではなく、イデオロギー的に「善」なのはどっちか?という対比になっているのではないだろうか。


この構造の中で行われる対比は、合理性を欠いており必ずしも事実に基づいてはいない。一説では、新たにエコカーを生産して乗るよりも、中古車を活用したほうが環境への負荷・エネルギー消費量は少ないといった調査結果もあるそうだ。(「新型プリウス」よりもエコな「中古車」、米国で人気)


エコロジーという概念や取り組みはすばらしいもので、社会全体で取り組んでいかなくてはいけない重要な課題ではあるが、利益誘導を含む一義的な扇情文句で、社会的なマインドを醸成させてしまうのは危険なことのように感じる。


当たり前だが、中古車はエコカーの対極にある「悪」ではない。多様な選択肢のひとつである。しかし、現在の状況を踏まえると、積極的に中古車の有用性やその価値を訴求していく、啓蒙的な取り組みが必要になっているのではないだろうか。






2012年4月13日金曜日

これからはアンフェアでダーティなイメージからの脱却が
更に重要になっていく
















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中古車流通は将来的にコンシューマにどんどん近づいていくと思われます。
ネットオークション、委託販売、オークション代行、ディーラー/買取店による自社チャネル直販、インターネットの普及によるビジネスとコンシューマの情報格差の縮小…etc.
(中古車流通の今後を考える)

そうした環境下では、変化していく市場とニーズを踏まえた上で、コンシューマにどう寄り添ってサポートしていくか、という観点が重要になっていくでしょう。

提供側の都合やエゴの押し付けではなく、コンシューマの要望を素直に引き出し、
そして、更なるプラスαを提案する。

ある種のコンサルテーションやカウンセリングといった要素が求められていくのかもしれません。
敷居の低さや柔らかさといったオープンなイメージと、オフィシャル感や透明感といったポジティブな印象を創りだすハード/ソフトがポイントとなるでしょう。

コンシューマに一部根付いているアンフェアでダーティなイメージからの脱却は、
これまで以上にかなり重要な課題となっていくはずです。

言い古されていることではありますが、クオリティの高いサービス業をベンチマークすることでヒントが得られるのではないでしょうか。





2012年4月9日月曜日

2011年の動向から得られた自動車流通に関する知見
(ツイートまとめ)


                                  














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面白がって大量に埋め込んだら重いのなんのって…すみません(_ _(--;(_ _(--; ペコペコ

2012年4月8日日曜日

シェアリングにもいろいろカタチがありそうです


                              














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桜が咲いています、春ですね。86が出ましたね。
…っと何の脈絡もなく始めてしまいましたが、個人的にはBRZの方が好みです。
…っとこれまた関係ないですね。失礼しました。

乗りたいっ!と思うのですが、ワタシが所有することは現実的ではありません。おそらく、ワタシと同じように、自分には現実的ではないなっと思っているヒトはたくさんいそうです。

ライフステージ(小さい子供がいる等)、物理的制約(駐車スペース等)、経済的制約(2台は所有できない等)、興味関心だけでは突っ込んでいけない事情は結構あったりします。(これらを押さえ込んで没頭できるヒト。尊敬します!うらやましい…)

クルマとの関わり方は、これからの社会ではもっと柔軟になっていく必要が出てくると思います。カーシェアリングやレンタカーなど、使用価値にフォーカスしたサービスが存在感を増していくことでしょう。販売の現場も、これらのムーブメントを脅威と捉えるのではなく、既存事業にどのように取り込んで掛け算ができるのかを考えていくことが求められます(自動車の使用価値が重視されていく今後において 販売だけでは難しいかもしれないから考えてみた)


前述の86・BRZのような俗に言う「スペシャリティカー」は、ファーストカーとしては所有しづらいということは事実だと思います。なので、こうした性格のクルマを「共同所有」というカタチで訴求してみてはどうでしょうか。

カーシェアリングはクルマを完全に「道具」としているので、使われるクルマには個性や嗜好は求められていません。利用者側も「機能」の「利用」を目的としているので、そこでは情緒性は問題にされていません。なので、通常のカーシェアリングとは違う、「乗りたいときに乗る興味関心の対象である好きなクルマ」を、必要となるコストを複数人で負担し合う「共同所有」というスタイルで提案することは意味があるのではないでしょうか。

もちろんオペレーションの設計(どのように管理していくか等)に課題があるのは事実ですが、既存ツールを応用すればイニシャルコストはそこまで大きくならないのではないかと思います。

日頃の管理・運用を請け負い、同時に点検・整備をパックにすることで自社への導線を引き、そして、契約期間を最初の車検などに設定しておけば、リセールのあるうちに下取りもできるので、ストックビジネスとしても優れているモデルのように思います。

しつこいようですが、今後は販売だけでビジネスを成立させていくことは、ますます困難になっていくことが予想されます。販売や所有に縛られない新しい形態を創っていく必要があるでしょう。

2012年4月3日火曜日

現在着目している自動車流通におけるムーブメントのまとめ


                                








photo credit: sicoactiva via photopin cc

これまでにも何度か触れてきましたが、ワタシが現在着目しているムーブメントは、

①共有在庫(内容自体はちょっと古くなってしまったのですが、こちらで言及してます)

②委託販売(以前に言及したエントリーはコチラ)

③中古車リース(以前に言及したエントリーはコチラ)

このあたりの取り組みが今後、盛り上がっていくのではないかと考えています。
これらは単体だけではなく、既存事業との掛け合わせによって、新しい価値を生み出すことができるのではないでしょうか。

また、好むと好まざるとに関わらず、ごく近い将来において個人売買の市場が立ち上がってくることが予見されます(②でも触れていますが)。消費税の引き上げが行われれば、その勢いは更に加速していくことでしょう。

そうなった場合に、間違いなくソーシャルメディアが個人間でのクルマの流通に欠かすことの出来ないツールになっていくと思われます(ソーシャルグラフと中古車)

実際にmixiを使って顧客の開拓を行っている事業者さんを知っていますが、下手な広告よりも効果が高いそうです。ソーシャルメディアを利用して自身でコミュニティーを運営するなどの取り組みを行えば、将来顧客と接点を持つことも可能になるのではないでしょうか(あくまでコミュニティーの運営なので、ココで商売っ気を出すと失敗しますが)チューニングショップにおける走行会や、バイクショップにおけるツーリングクラブなどはニュアンスが近いかもしれません。継続的にWebとオフラインをミックスさせた施策を行うことができれば、本業にも好循環をもたらすことになるのではないかと考えます。

①~③とソーシャルメディアを絡めた取り組みに注目しておく必要がありそうです。

2012年4月1日日曜日

外部リソース活用のススメ


                                 


















photo credit: Kuzeytac via photopin cc

自分の経験を踏まえて考えるのですが、意見を求めることのできる外部リソースを確保することは、チームでビジネスを行う上でとても重要なことです。組織内だけでアレコレこねくり回していると、組織の価値観に縛られたり、ポジションパワーに影響されたり配慮したりで、本質を見失いがちです。また、見失っていることをチームのメンバーが気づいていても、マネジメントに問題があり、軌道修正することができないといったケースもありがちなことだと思います。

こうした場合に外部のリソースは、組織のしがらみに縛られない客観的な意見や気づきをチームにもたらしてくれます。しかし、ここでいう外部リソースは、よくある「コンサルタント」ではないとワタシは考えます。チームが直面している問題や課題にもよりますが、結局、組織のエライヒトに雇われて報酬を支払ってもらう立場のコンサルタントには、クリティカルなアクションは取れないと考えるからです。

ブレイクスルーに至る過程においては、過去の成功体験にこだわらない、自己否定を行えるカルチャーとメンタリティが必要です。多くの場合、チームが前進できない原因のひとつは、この自己否定にあると思います。否定を後ろ向きなアクションだと捉え、批判と現状把握・分析を混同し、自己否定のフェーズを潰してしまうエライヒトのなんと多いことでしょうか。これは、否定されている自己( この場合は組織や製品・サービスといったもの)を創ってきたのがエライヒトである場合が多く、チームによる自己否定がエライヒト個人を否定しているものと錯覚することに起因しています。オレを否定・批判するのか?けしからん!っと。その結果、そうした意見や思想を排除する動きが、エライヒト本人からかチーム内の一部から内発的に発生していき、ブレイクスルーとは程遠い半端なプロダクトができあがっていきます。

こうした動きの中で、コンサルタントは多少の苦言は呈しますが、雇い主、特に自分に影響のある決裁権を持ったヒトを不快にするような言動はできないことが多いです(仕事なくなってしまいますからね)。また、雇い側(特にエライヒト)もコンサルタントが何かをしてくれると勘違いしているケースも多く、結局は決めて実行するのは自分たちであるとの観点が欠落していて、あのコンサルタントは役に立たなかったなんて感想を持ったりします。

つまり、ビジネスとしての外部からの提言というものは、いろいろなヒトのいろいろな思惑の中で発せられていくので、「純度」が非常に低くなってしまうのだと思います。

それでは冒頭に述べた外部リソースとはなにか?雇う雇われる、金銭の授受によって成立するという関係ではなく、互いに補完し合える、互いに価値を与え合える関係ではないかと思います。外部からチームに参加をしますが、成果にたいしてはキチンとコミットする誠実さを持っており、また、チームも外部から参加するヒトを尊重する。そんなパートナー関係が理想的ではないでしょうか。

例えば、同じ顧客を持つ異なる業種で互いの外部リソースになったり、普段はプロジェクトチームに外部リソースとして参加をしながら、自社のイベントやキャンペーン時にはチームに協力をしてもらう等のイメージです。実際に運用していくには、いろいろと検討しなければいけない部分があると思いますが、柔軟でパフォーマンスの高いチーム作るひとつの方法かと思います。