2012年4月1日日曜日
外部リソース活用のススメ
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自分の経験を踏まえて考えるのですが、意見を求めることのできる外部リソースを確保することは、チームでビジネスを行う上でとても重要なことです。組織内だけでアレコレこねくり回していると、組織の価値観に縛られたり、ポジションパワーに影響されたり配慮したりで、本質を見失いがちです。また、見失っていることをチームのメンバーが気づいていても、マネジメントに問題があり、軌道修正することができないといったケースもありがちなことだと思います。
こうした場合に外部のリソースは、組織のしがらみに縛られない客観的な意見や気づきをチームにもたらしてくれます。しかし、ここでいう外部リソースは、よくある「コンサルタント」ではないとワタシは考えます。チームが直面している問題や課題にもよりますが、結局、組織のエライヒトに雇われて報酬を支払ってもらう立場のコンサルタントには、クリティカルなアクションは取れないと考えるからです。
ブレイクスルーに至る過程においては、過去の成功体験にこだわらない、自己否定を行えるカルチャーとメンタリティが必要です。多くの場合、チームが前進できない原因のひとつは、この自己否定にあると思います。否定を後ろ向きなアクションだと捉え、批判と現状把握・分析を混同し、自己否定のフェーズを潰してしまうエライヒトのなんと多いことでしょうか。これは、否定されている自己( この場合は組織や製品・サービスといったもの)を創ってきたのがエライヒトである場合が多く、チームによる自己否定がエライヒト個人を否定しているものと錯覚することに起因しています。オレを否定・批判するのか?けしからん!っと。その結果、そうした意見や思想を排除する動きが、エライヒト本人からかチーム内の一部から内発的に発生していき、ブレイクスルーとは程遠い半端なプロダクトができあがっていきます。
こうした動きの中で、コンサルタントは多少の苦言は呈しますが、雇い主、特に自分に影響のある決裁権を持ったヒトを不快にするような言動はできないことが多いです(仕事なくなってしまいますからね)。また、雇い側(特にエライヒト)もコンサルタントが何かをしてくれると勘違いしているケースも多く、結局は決めて実行するのは自分たちであるとの観点が欠落していて、あのコンサルタントは役に立たなかったなんて感想を持ったりします。
つまり、ビジネスとしての外部からの提言というものは、いろいろなヒトのいろいろな思惑の中で発せられていくので、「純度」が非常に低くなってしまうのだと思います。
それでは冒頭に述べた外部リソースとはなにか?雇う雇われる、金銭の授受によって成立するという関係ではなく、互いに補完し合える、互いに価値を与え合える関係ではないかと思います。外部からチームに参加をしますが、成果にたいしてはキチンとコミットする誠実さを持っており、また、チームも外部から参加するヒトを尊重する。そんなパートナー関係が理想的ではないでしょうか。
例えば、同じ顧客を持つ異なる業種で互いの外部リソースになったり、普段はプロジェクトチームに外部リソースとして参加をしながら、自社のイベントやキャンペーン時にはチームに協力をしてもらう等のイメージです。実際に運用していくには、いろいろと検討しなければいけない部分があると思いますが、柔軟でパフォーマンスの高いチーム作るひとつの方法かと思います。
ラベル:
マネジメント