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新・中古車流通の今後を考えてみる②です。
前回は人口動態からみた市場の縮小というお話しでしたが、
市場を縮小させていく要因は人口動態だけではありません。
経済状況、ユーザーマインド、クルマの性能向上などの要因により、
クルマの使用年数・保有年数が上昇していることはみなさんご承知のとおりです。
使用年数
2009年 12.76年
2010年 12.70年
っと、クルマの寿命は12年を超えています。
保有期間
2001年
新車購入者 平均6.2年
中古車購入者 平均4.2年
2009年
新車購入者 平均7.3年
中古車購入者 平均5.3年
※日本自動車工業会データ
っと、保有期間は延びる傾向にあります。
つまり、ユーザーが買い換えるサイクルは伸びており、
下取りで入庫してくるクルマは低年式になっているということです。
これが意味するところは当然ですが、
いいタマは市場から減っている
っということです。
新車として世に出たクルマが中間流通市場に出てくる頃には、
かなりの確率で
既にくたびれている
ことになります。
今後、中間流通市場でいいタマを仕入れることは
徐々に難しいことになっていくことが予測されます。
そうしたこともあり、
一部の販売店には直販体制を強化する傾向が見られます。
買取などで入庫した”いいタマ”を、
自社のネットワークから出さない戦略へシフトしつつあります。
良質車の囲い込みです。
これまでのようにオークションで換金するのではなく、
自社で直接コンシューマに販売することを優先させるようになってきています。
また、自社で直接販売した方が利益を確保できるということも、
この動きの大きな要因となっています。
いいタマがなくなる。
どうしたらよいのか?
ひとつは、低年式・過走行のクルマをいかに商品化するかということがポイントになるでしょう。
中古住宅・マンションのようにリノベーションのような解があるのかもしれません。
もうひとつは、良質車の仕入れルートをいかに確保するかということになります。
オークションが仕入れの場として確立されて久しいこともあり、
仕入れはオークションだけという事業者さんもめずらしくなくなりました。
しかし、これからはオークションには”いいタマ”は出なくなります。
”いいタマ”は違うルートで流通するようになるでしょう。
独自の仕入れルートを持つことが重要かつ、
生き残りの条件になる時代が間近に迫ってきています。
オークションを中心としたビジネスモデルを採用している事業者さんは、
オークションへの依存度を引き下げる取り組みや実験をしてみることをおすすめします。
そこから今後のヒントが得られるのではないでしょうか。
街中のクルマを在庫にしちゃおう!(新・中古車流通の今後を考えてみる③)