2013年5月7日火曜日

ゲーム・アニメコンテンツとクルマの関わり方を考えてみる














photo credit: Anna Briggs via photopin cc

トヨタの公式痛車に180件の購入申し込みがあったらしいけど…
スマホやアニメで車離れに歯止めを

痛車ではクルマ離れをどうにもできないでしょうに。
痛車カルチャーを否定はしないし、メーカーもゆるーく関わりながらプロモーションに活用していけたらいいのではないかと思いますがね、期待する部分がちょっと違う気がします。

メーカーが痛車カルチャーに絡んでも、基本的には人気の出たコンテンツへの便乗みたいなモノなので、クルマ自体の魅力や価値とはまったく関係がないです。痛車自体はクルマのひとつの楽しみ方だし、メーカーもカルチャーの育成には関わって損のないことかと思いますが、単純に迎合するのは間違いでしょう。

なんといってもクルマ離れの一番クリティカルな要因は経済的な部分なのです。コストに対して享受できるメリットが低い、もしくは、魅力を感じない、お金をかける価値を見いだせない、ということです。痛車はコンテンツ自体の認知拡大にはなっても、クルマの価値を訴求するものにはならないのです。高いコストをかけてまでクルマである必要性が見いだせません。おそらく、痛車カルチャーを担っているヒト達は、少なからずクルマに興味を既に持っていた層なのでしょう。この層はあまり開拓の余地がありません。これ以上、深耕することはできません。

一方で、別の層への広告効果という側面は多少あるかと思いますが、クルマの購入や所有へ繋がる動機の一因に成り得るのかというと、残念ながらそうではないでしょう。プロモーションには使えても、課題の本質的な解決策にはなり得ません。

しかし、ゲーム・アニメといったコンテンツの利用は進めていくべきです。これまでリーチできなかった層への訴求効果は期待ができます。では、どのような利用の仕方が望ましいのか。それは、コンテンツの人気を利用する方法ではなく、コンテンツとの企画レベルからの融合です。コンテンツ自体の一部になるということです。クルマのある生活や日常を魅力的に見せる、クルマに憧れを持ってもらえる、共感を抱いてもらえる、そうした情緒的なものを魅せて伝えるパッケージを創ることが、今後は必要なのではないでしょうか。

ちょっとズレてしまいますが、中古市場では人気のあった映画やドラマで使われた車種は、同程度のクルマと比べても相場が高かったりします。熱心にそのクルマを探しているヒトがいるからです。これはコンテンツとクルマが渾然一体となってユーザーを魅了した結果なのではないでしょうか。クルマがコンテンツの一部になっていたのです。

コンテンツの人気に便乗するのではなく、コンテンツの一部になる。
ゲーム・アニメコンテンツとクルマの関わり方は、それが望ましいのではないでしょうか。

あー、あと安易にスマホスマホって風潮にも思うトコロがありますが、それはまた別の機会にでも…マツダのアプリは良かったけどね。

それはそうと、180件中のどのぐらいが転売目的だったんだろうか…ということが気になって気になって…。プレミアつくのかなぁ。