2013年4月24日水曜日
クールジャパン戦略が自動車産業にも炸裂するらしいですよ(補助金もあるよ ♡)
photo credit: arcreyes [-ratamahatta-] via photopin cc
なんでも噂のクールジャパン戦略が、若者のクルマ離れに一石投じるらしいっすよ。
出すらしいっすよ
補助金。
気前いいっすね。
日刊自動車新聞に出てましたわよ。
人気漫画やゲームとタイアップして特別仕様車を作ったり、イベント実施したりする「コラボ型」と、若者向けに(?)アニメやゲームを制作して新車の販促に使用する「コンテンツ活用型」があるらしいです。
ブランド管理責任者の設置などが補助金の条件で、SNSの活用も認めるとか言ってるようですね。今秋にも募集を開始して4、5件の採択予定だとか。
今回の補助金制度は、日本が高い国際競争力を持つ自動車産業に特化したクールジャパン事業、なんだそうです。
海外市場へのPRと国内市場の活性化を同時にやっちゃおう!という一石二鳥的な、それこそ素晴らしくクールな戦略らしいっす。
…
これなんか違う気ぃするわ…。
ん?今年度限りの補助事業なんだって。
うん、やっぱり違うわ。
最近、新車販売のマーケティングにアニメとか利用されているから、一緒にやっちゃえばよくね!?イケるべ!?ってカンジなんですかねぇ…。
ムーブメントに後乗りしようってのが戦略とは泣けてくるね。そんな最大瞬間風速を利用するなら今だっ!みたいなことやってないで、もっと根源的な部分でカルチャーを育てることにお金を使った方がいいんじゃないですかねぇ。コラボだとかコンテンツ活用だなんて、ほっといても民間は勝手にやりますよ。それが儲かることであれば。
だから、お上がやるべきは、マッチングを促進させることじゃなくて、創る側がちゃんと儲かる恒常的な仕組みを整える部分なんじゃないですかね。だって問題はそこなんでしょ?知ってるよ!ブームの尻馬に乗ってる場合じゃないでしょう。祭りじゃないんだから。
ぜんぜんクールじゃないわ。
あと、こんなことやってると、また自動車ばっかり贔屓しやがって!みたいな他業界からの恨みつらみの怨嗟の声が上がってきちゃいますよー。
あーそうだ。そんなことよりTPPの交渉でオーストラリアに中古車を輸出できるようにしてください。旧英国領は右ハンドルだからね。
2013年4月19日金曜日
中古車販売店は専門店になることで生き残る
photo credit: Jack Snell "Snappy Jack" via photopin cc
以前に、専門店が有利になっていく理由をインターネットの動向から述べましたが、これからは専門店に有利な時代になる!!中古車流通市場の動向からも、専門店化することのメリットを導き出せます。
新車販売の低迷や使用年数の長期化などにより、中間流通市場では質の高いタマが減少しています。2012年にオークションで成約になった車両の約50%が、走行距離10万km以上の車両でした。小売向きの標準レベルとされる5万〜7万kmの車両は、全体の25%しかありません。流通車両の質の低下は確実に進行しています。戦略的なユーザー買取スキームが求められるようになる
つまり、”売れ筋車種の良いタマを確保して展示をする”という、従来は多くのお店の基本的な戦略だったやり方が、これからは非常に困難な手法になるということです。自動車に限らずユーザーニーズの細分化が進んでいるため、何が売れるのかが非常に掴みづらくなっています。売れ筋が何なのかがわかりづらい、わかったとしても良いタマが見つからない。他社との競争は激しくなる一方です。
売れると思われる車種を平均的に取り揃える、このやり方を選択できるのは一部の大型店だけになります。中古車販売店の多くは小規模零細です。在庫の物量や多様性ではとても勝負ができません。また、ユーザー側のマインドとしても、多種多様・豊富な選択肢から選びたい場合は、中古車検索サイトを利用するでしょう。一店舗の在庫車の中からクルマを選ぶという行動は、Web上ではなくなりました。一店舗が多種多様・豊富な在庫を持つ合理性もなくなったのです。
では、どうしたらよいのか。この問に対する答えが冒頭の専門店化です。”売れ筋車種の良いタマを確保して展示をする”という多数派戦略からの脱却が必要です。あるカテゴリに特化して他社とは違うポジションを確保するのです。インターネットの深化により、ニッチなものほど売れるようになっていきます。特化をしていることが、インターネットに見つけてもらうための重要なポイントになります。
また、”良いタマ”の仕入れに関しても、専門店化することで他社との違いを持てるようになります。あるカテゴリに特化すると、その対象となるクルマの買取案件が直接くるようになります。なぜならユーザーは、自分のクルマの価値を理解しているお店に買い取ってもらった方がよいと考えているからです。極端な例ですが、旧車オーナーがクルマを手放す時、一般的な買取店に査定をお願いするのではなく、旧車専門店に持ち込むことがほとんどです。場合によっては、購入したお店に持っていくことも少なくないでしょう。
市場から”良いタマ”が減っているなかで、ユーザーから直接仕入れができるということは、非常に大きなアドバンテージになります。一般的な専業店に入庫してくるクルマは車種も品質もバラバラなため、自店でそのまま再販できるとは限りません。しかし、専門店であれば、入庫してくるクルマは自店で取り扱っているカテゴリに関する車種である可能性が高く、再販につなげやすくなります。
これからはオークションで”良いタマ”は流通しなくなります。オークション以外の仕入れルートを持つことが重要なポイントになります。小売面だけでなく、仕入れ面でも専門店化することのメリットは高くなっていくでしょう。
ラベル:
中古車流通将来
2013年4月11日木曜日
中古車販売に動画が必要になるその理由
photo credit: Feral Indeed! via photopin cc
アメリカの採用プラットフォーム市場では動画サービスが盛り上がってきているそうです。
「今までの書類選考よりも10倍早く、9倍安い!」有名企業が続々導入”HireVue”から見る動画採用プラットフォーム市場まとめ
考えてみれば非常に合理的ですよね。履歴書などのテキストデータからは知ることのできない情報が動画にはたくさん含まれています。実際に時間を割いて面会する手間も省くことができるので、Webからリアルへというアクションは、本当に最終的な段階だけにすることができます。もしかするとWebだけで完結するかもしれません。
動画のプラットフォームや撮影側デバイスの技術的な課題もあったため、動画を利用したサービスというのは視聴目的以外にはあまりなかったように思います。
しかし、最近はスマートフォンやクラウドサービの普及で、動画利用のハードルは非常に下がってきています。今後はWebサービスでの動画の利用はもっと進んでいくことでしょう。
中古車検索サイトにも以前から動画は採用されていますが、活用されているとは言いがたい状況です。これは前述した課題もありますが、具体的な利用方法が確立されていないということが大きいでしょう。
漫然と車両を撮っただけの動画ではなかなか観てはもらえませんし、肝心の情報を伝える役目を果たせていません。実際、残念なカンジの動画ばかりがアップされているのが現状です。最初から利用を放棄しているお店も少なくありません。
これからは、様々な分野で動画の利用が進んでいくことは間違いないでしょう。中古車販売においても、効果的な動画の活用が必要になります。ユーザーの疑問や不安に答えることのできる動画が求められます。テレビショッピング的な魅せる演出や構成といった部分への注力も必要になるでしょう。写真と動画の併用はスタンダードになっていきます。
今から試験的に取り組んでノウハウを蓄積しいくことは、後々、大きな資産になっていくように思います。先行投資として取り組んでみる価値はありそうです。
2013年4月7日日曜日
新年度を迎えての雑感
photo credit: MizGingerSnaps via photopin cc
この業界でかれこれ10年以上、いろいろな事業者さんを見て来ましたが、
お客さんにだけいい顔をしていたトコロは居なくなってしまいました。
関係のある取引先や業者にも敬意を払って接している事業者さんは、
やはりお客さんからも支持をされます。
ここには明確な相関関係が確認できます。
自社以外を下に見て、事あるごとに他社に罵詈雑言を浴びせていたようなトコロは、やはり淘汰されていきました。
お客さんとは鋭いもので、そういった気配を感じ取るものです。
取ってつけたような誠実さは見抜かれます。
普段からの思想や態度が細部に宿ってお店を創っていきます。
新しい年度が始まったこの時期に、あらためて自社の有り様について考えてみるのも良いのではないでしょうか。
厳しい時期にこそ、”ヒト”の部分が問われます。
誰に何の価値を提供しているのか、少し立ち止まって再確認したいです。
ラベル:
雑考
2013年4月3日水曜日
戦略的なユーザー買取スキームが求められるようになる
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今回は、最近の中古車流通市場の動向から得られた知見についてのメモです。
まず、年度末にかけてのオークションの状況をみると、出品台数はなかなか伸びず、3月中盤までは渋い状況が続いていました。
成約率については70%を超える会場が全国的に多く、どこの地域でもタマ不足であることが伺えます。
直近数ヶ月における円安の影響もあって、輸出関連が強力なプレゼンスを発揮しており、国内専業店さんの中には、金額の高騰により仕入れられないケースも珍しくなかったようです。
ちなみに、2011年のオークションの成約台数は約389万台だったのですが、そのうち輸出がらみは80万台になります。全体の2割が輸出です。今後もしばらくは円安が続くとなると、今年はこの割合がさらに上がっていくかもしれません。
以前は、輸出向けの車両と国内販売向けの車両は、要求されている条件が違っていました。輸出は低年式過走行の車両がメインだったのですが、最近は仕向地の輸入規制やニーズの変化により、国内販売向けの車両と条件は変わらなくなってきています。これまでは国内向けの商品車だったような車両が、どんどん輸出されています。
近年では、国内における良質な商品車の枯渇は深刻な状況です。経済環境や商品性能の向上により、新車で購入された車両は平均で7年以上は中古市場に出てこなくなっています。7年落ちの車両の状態や価値については、あらためて言及するまでもないでしょう。
また、インターネットのインフラやサービスの拡充により、仕向地でもオークション相場や車両の確認が可能になったことで、国内外でタマを奪い合うことになっています。もはや日本のオークションで落札するということは、世界で一番高く落札するということです。
国内でも貴重になってきた良質な商品車は、オークションには出品されなくなりつつあります。
良質な商品車のオークションへの主な供給源は、新車ディーラーと買取専門店です。しかし、新車ディーラーはバリューチェーンの強化を目的として、中古車販売に注力するようになってきています。下取りで入ってきた良質車を、自社のネットワークからできるだけ出さない戦略へシフトしています。
一方、買取専門店も直販モデルを模索しており、自社で小売販売するスキームを構築しつつあります。資金回転率の兼ね合いから、まだオークションに出品して換金を行なっていますが、自社販売の仕組み化が進めば、それもどうなるかはわかりません。
新車国内市場がシュリンクしていくことが確実であるため、今後、中古車市場が大きく成長することはないでしょう。もし、経済環境の変化などにより中古車へのニーズが高まったとしても、販売に適した車両が市場に供給されないため、売る商品がないという状態になります。どう転んでも楽観視できる要素はありません。
今後重要になってくることは、いかに良質車を確保するのかということです。オークションで仕入れることは難しくなることが予想されますので、必然的に川上へ向かうことになるでしょう。
ユーザーからどれだけ直接買い取れるか、または、買い取る仕組みを創れるか、これが重要になってくるでしょう。しかし、買い取っただけではダメで、その車両をどのように流通させるか(おそらくは共有するカタチになるはず)が問題になります。台あたりの利益が薄くなっていくので、陸送してオークションに出して〜という手法はコストが高すぎます。もっと様々なところがダイレクトに繋がるような仕組みが求められていくでしょう。
そう考えると、次の一手は買取チェーンから出てきそうな気がします。もしくは、買取へ大きくシフトしていく事業者でしょう。このあたりの動向は気にしておく必要があると思います。
ラベル:
中古車流通将来
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